簿記一級の工業簿記・原価計算の中でも頻出論点の原価の部門別計算は簿記二級の知識が非常に大切となります。合格のためにもう一度土台作りから始めましょう。
部門別計算とは、費目別計算→部門別計算→製品別計算からなる原価計算です。
費目別計算とは当月一か月における原価の発生額を各費目ごとに計算すること
部門別計算とは費目別計算で把握された原価の発生額を、発生した場所別に集計すること
製品別計算とは原価を製品の単位原価を計算すること
上記のうち、部門別計算は省略することも認められているのですが、部門別計算をすることでより正確な製品原価の計算が可能となります。
製造間接費を工場全体で一つの配賦率ではなく、製造部門ごと(その製造間接費が発生した部門)に配賦率を設定して配布することで製造部門ごとの作業内容を反映した製造間接費の正確な配賦計算ができるようになります。また、原価の発生場所を明らかにすることで部門ごとの予算管理がしっかりとできるようになります。
原価部門を下記にわかることができます。
製造部門→製品を製造を行う部門 切削部門、組立部門など
補助部門→製造部門をサポートする部門 動力部門、修繕部門など
製造部門は製品を直接製造しているため、補助部門より偉いです。各部門に集約された原価は仕掛品に配賦されるのですが、補助部門に集約された原価は直接仕掛品に配賦することができません。必ず製造部門を経由してから仕掛品に配賦されます。
第一次集計
第一次集計とは製造間接費を発生した場所(部門)ごとに分類集計すること
1.部門個別費 どの場所で発生したか明確な製造間接費
2.部門共通費 どの場所で発生したか明確でない製造間接費
製造間接費は上記の二つに分けられる。当然、部門個別費はそのまま転記すればいいので迷うこともないが、問題は部門共通費。部門共通費を把握して各製造部門への配賦することこそが重要。
配賦基準は様々で金額基準であったり時間基準となったり問題によってさまざまなのでよく確認する必要がある。
ここまでが部門別計算の第一次集計です。第一次集計は別名で部門費とも呼ばれるので部門費ときたら第一次集計を指していることを理解しておく必要がある。
このあと第二次集計の計算はまた次回。